この後シンジはネルフには行かず傍観という形を取った。
ネルフはレイを初号機に乗せ何とか第三使徒サキエルを倒す。
しかしレイは戦闘で命を落とし三人目に移行されることになる。
ゲンドウはゼーレに戦力増強を提案しゼーレはそれを承諾。
弐号機、参号機、四号機がネルフ本部におかれることになった。
参号機、四号機はまだ完成しておらず出来次第配備という形になった。
シンジはネルフに接触するのはまだ早いということで近づかなかった。
最大の原因はセイとマナにあるのだが・・・・・
シンジは特に使徒に関して憎しみとかいうものはなかった。
ネルフに片付けてもらえればそれで良かった。
最後のサードインパクトを阻止する事とレイの救出だけが今のシンジの目的だった。
最も今はセイとマナに関してのほうが問題だったりする。
「はあ、早く仲直りしてくれよな〜」
シンジは独り言を呟き大きくため息をついた。
世界が変わっても苦労が絶えないシンジであった。
第二の人生は霊能力者!?
第十二話「救出作戦 前編」
シュウジ
新第二東京市にあるとあるマンションにシンジ達は住んでいる。
組織の仲間もそのマンションに全員住んでいて組織の本拠地ともいえる。
組織の構成は4部隊に分かれていて1部隊12人の構成である。
シンジ、アキ、セイ、マナをそれぞれの部隊長となり副隊長と隊員がいる。
それに技術班、医療班がいて約100人がいて組織としては小さい規模である。
武器の補給、資金の供給などは他の組織から盗ってきてそのままリサイクルをしているのでお金はほとんど掛かっていない。
マナはシンジ、アキ、セイの三人には敵わないがかなり強い。
それには理由があった。
以前マナが言っていたようにセイに助けられたことが原因だった。
それはジャッジメントとしての初めての活動だった。
月が出ない漆黒の夜の時間にそれは起こった。
『戦自の少年兵の救出作戦』、それが今回のシンジ達の目的だった。
「で、今回の作戦は?」
全身黒尽くめのセイがシンジに問いかける。
いつもあまり意見を聞かないが戦闘に関しては良く話すセイ。
施設が見える森の中で潜伏している三人は気配を消して様子をうかがっている。
「少年兵の救出が最優先。短期決戦で終わらせるのがいいと思う。」
セイに聞かれたシンジは妥当な線を出す。
シンジには戦略というものはあまり知らない、というよりもまったくといってもいいほど知らない。
セイによって施設の見取り図、戦闘員の数などは解っているがこっちは三人しかいない。
いくら強いといっても三人では救出は難しい。
もっとも壊滅させることなどは簡単などだが・・・・・
「ま、それが妥当よね。
いくら強いといっても三人しかいないしね〜」
アキもシンジの作戦に賛成のようだ。
アキはいつもの魔法使いの格好で金属製の杖も持っている。
何気にシンジにくっ付いていている。
「(幸せ(//////))」
普通は周りを気にするのだがここは森の中。
唯一セイがいるのだがまったく気にしていないで施設を見ている。
シンジもいつもは恥ずかしがるのだがこれからの事の考えに集中していて気づいていない。
よってアキは誰にも邪魔されることなく顔を赤くしながら幸せを感じていた。
「・・・・時間だ・・・・」
セイは自分の左腕にある時計を見ながら言った。
「じゃあ、行くよ。」
シンジは二人に言った。
「「了解。」」
その言葉を聞いた瞬間二人の気配、表情が変わった。
セイの表情は無表情になり、アキの幸せな顔は消えセイと同じ無表情になる。
シンジ自身も決意の秘めた目で施設を睨んでいた。
シンジの思いは特別だった。
「(・・・・・マナ・・・・・・)」
初恋だったのかもしれない、これからやることはただの自己満足なのかもしれない。
でもこれから起こり得るかも知れない出来事を考えたらこの行動は止まらない。
内蔵を傷めたマナ、組織のスパイだったマナ、閃光の中で消えていったマナ。
「(今、助ける!!)」
シンジは声には出さず心の中で叫んだ。
「なんだ、何があった!?」
『侵入者だ!!早く増援を!!う、うわ〜〜〜!?!?』
「何だ!?何があった!?」
戦自の戦闘隊員が無線で仲間と話していたが途中で通信が止まった。
無線を受けていた兵士はいきなりのことに困惑している。
ここは戦自の中でも非公開の施設、それを襲撃してくるなんて思いもしなかったのだろう。
戦自はここ日本の中で最強の軍隊だ、国連に肩を並べるぐらいの軍隊に喧嘩を売るなんて考えもしなかった。
しかし突然の強襲が起こった。
『・・・・うるさい、黙って殺されろ・・・・』
おそらくさっきまで話していた兵士が死んだのだろう。
その無線を使って、聞き覚えのない声が聞こえる。
その声は、まだ大人になりきっていない男の子の声だった。
しかしその声からは、尋常じゃない殺気の篭っていた。
子供が襲撃してきたという事と、その子供はかなりの実力者だということに驚いていた。
「・・・おい・・・」
するといきなり後ろから声がかかった。
通信を聞いていた兵士は素早く後ろに銃を向けた、そこには全身黒ずくめの少年が立っていた。
「(・・強い・・)」
その兵士はその容姿に惑わされずに、この少年の実力を見抜いた。
素人から見れば、それはただ立っているだけに感じるかもしれないが、隙がまったくなく、どうあがいても勝てないと思っていた。
兵士は殺される覚悟をしたが、ふと脳裏に少年兵達の笑顔が浮かぶ。
「(子供達は守る!!!)」
兵士は銃を打とうとした瞬間、少年が兵士の腕をつかみ、銃を振り落とされてしまう。
兵士は肉弾戦しかないと思い、パンチを繰り出すが、少年は無駄のない動きでかわしていく。
上段蹴りを繰り出すが、腕一本で掴まれてしまう。
「(な!!俺の足は義体化してんだぞ!?)」
少年は兵士の足を掴んだまま兵士を壁に投げつけた。
投げつけられた兵士は壁に少しめり込んだ。
「さっさと死ね。」
少年はそういいながら拳を作って兵士の頭に当てようとした瞬間、
「「待った(て)セイ!!」」
少年の後ろから二人の声がその拳を止めた。
当たる寸前にとまった拳は、兵士の額スレスレだった。
「その人は少年兵を守っていたんだ。
だからその人と戦う意味はないよ。」
シンジの手には双文殊が握られていて、その双文殊には『記/憶』と書かれていた。
「・・・・・・・わかった・・・・・・」
セイはゆっくり拳を下げた。
兵士は半ば呆然とセイとシンジのやり取りを見ていた。
「貴方のお名前は?」
シンジの隣にいたアキが兵士に聞く。
兵士はその答えに、素直に返事をする。
「俺の名は天津カズヒコ。少年兵達の指導を担当している。
君達は何者だ?」
アキに尋ねられたカズヒコは名前を教える。
そして気がかりだった三人の目的を聞いた。
「さっきも言ったけど少年兵達の保護を目的としている。
今こんなことを討論している暇はない、少年兵達を助けたいんだったら着いてきて。」
シンジがそういうと、アキとセイを連れて走り出した。
「おい!!待てよ!!」
カズヒコはさっきセイに喰らった攻撃で痛みを抱えながら、三人に追いつくために慌てて走り出した。
「で、さっきの続きなんだけど・・・・・」
「こんな状態で話せるか!!!」
シンジのボケに、見事突込みを入れるカズヒコ。
こんな状態とはさっきまで走っていたのだが、その目の前に兵士がたくさん待ち構えていた。
兵士はマシンガン、ロケットランチャー、バズーカ、ガトリングなど様々な武器を揃えていた。
四人はすぐさま横道に入り難を逃れたのだが、非常に危ない状態でこのままでは死んでしまうとカズヒコは判断している。
実際この判断は正しいのだが、三人は気楽(セイは相変わらず無表情だが・・・・・)に話を続けようとしているので、カズヒコは思わずツッコミを入れたのだ。
「どうするんだよ!!」
「ま、それもやり方次第でしょ?」
シンジは手の中から、双文殊を取り出しそれを兵士達のほうに投げつける。
すると突然、今まで銃や爆発音でうるさかったのに急に静かになったのだ。
「???何だ???」
カズヒコはシンジの持っていた文殊(カズヒコはそれを小型爆弾か何かか?)と思っていたのだが、何も爆発音などもせず、急に静かになったので疑問に思いつつ、カズヒコはゆっくりと兵士のいた方を見ると、其処にはぐったりと倒れている兵士達がいた。
「まさか毒ガスか!?」
「違いますよ、それだったら僕達も今頃死んでいますよ。
ほら、よく見てください。」
カズヒコの言葉にシンジは否定し、兵士達の方を指差した。
カズヒコはシンジの言われたとおり、兵士達の方を良く見てみると兵士達は寝ていた。
実はシンジが投げた双文殊は指向性の『睡/眠』である、一定の距離にいた兵士達を一気に眠らせたのだ。
「お前達はいったい・・・」
カズヒコはその光景に驚きながら三人に言った。
「僕達は単なる自己満足のためにやっている少年少女ですよ。」
シンジは少し照れながらカズヒコに言った。
この後カズヒコはシンジ達の組織【ジャッジメント】の一員になるなんて思っても見なかっただろう
そしてシンジ達もここまでうまく行っていたので成功すると思っていた
しかしこの油断がマナに怪我をさせるなんて思っても見なかっただろう
この出来事はマナに怪我をさせる15分前の出来事だった